結婚相談所の「成婚率No.1」はなぜ各社バラバラなのか——数字のからくりを定義から読み解く
この記事の目次
パートナーエージェントは「成婚率業界No.1」、IBJメンバーズは「成婚率No.1」、ツヴァイは「成婚数No.1」——結婚相談所をいくつか見比べていると、あちこちで「No.1」の文字を見かけて「結局どこが一番なの?」と混乱した方もいるのではないでしょうか。
先に前提をお伝えします。ここで各社が言う「成婚」は、多くの場合「成婚退会(結婚を前提に活動を終えること)」を指しており、婚姻届を出す入籍そのものを保証する数字ではありません。この前提を踏まえたうえで、各社の「No.1」がそれぞれ何を根拠にしているのかを、公式情報をもとに整理していきます。
この記事でわかること
- 各社が掲げる「成婚率No.1」の調査主体・調査年月の違い
- 「成婚」の定義が会社によって異なること
- 同じ実績でも計算式次第で成婚率は変わりうること
- 結婚相談所経由の成婚率を裏付ける公的データの有無
- 数字を読んだうえで相談先を選ぶときに確認したい3点
各社が「成婚率No.1」を掲げる理由
まず、実際にどんな「No.1」がどんな根拠で掲げられているかを並べてみます。以下はいずれも各社の公式サイトの表記で、当サイトが順位をつけたものではありません。
| 会社名 | 「No.1」の訴求文言 | 調査主体・調査年月 |
|---|---|---|
| パートナーエージェント | 成婚率業界No.1 | 株式会社DRC調べ・2026年5月 |
| IBJメンバーズ | 成婚率No.1の実績 | 日本マーケティングリサーチ機構調べ・2024年8月期 |
| IBJ(連盟全体) | 婚活会員数No.1 | 同機構調べ・2025年2月期 |
| エン婚活エージェント | オンライン結婚相談所成婚実績No.1 | TPCマーケティングリサーチ調べ・2024年3月 |
| ツヴァイ | 成婚数No.1 | 同機構調べ・2025年2月期(成婚数は2024年累計) |
表の内容は2026年8月時点で各社公式サイトに掲載されている表記にもとづきます。調査内容・表記は変更される可能性があるため、最新は各公式サイトでご確認ください。
エン婚活エージェントの調査(TPCマーケティングリサーチ調べ)は、対象社数や調査方法といった母集団の詳細までは公式ページから確認できませんでした。一方で同社が掲げる「3年連続満足度No.1」(オリコン顧客満足度®調査・2026年・結婚相談所オンライン部門)は、実際の利用者を対象にした調査主体・年度・部門が明示された実体ある調査です。同じ「No.1」でも、根拠の透明度には差があることが分かります。
このように、各社が「成婚率No.1」「成婚数No.1」を名乗ること自体は不思議ではありません。ただし調査主体・調査年月・対象範囲がバラバラである以上、どれか1社が本当のNo.1と決められるものではなく、「自社が委託した調査の中でNo.1」という前提で読む必要があります。
そもそも「成婚」の定義は、会社によって物差しが違う
「成婚率」を比べる前に、そもそも各社が言う「成婚」が何を指すのかを揃えておく必要があります。
IBJの定義は「成婚=婚約」
IBJ(日本結婚相談所連盟)は公式サイトで「IBJの加盟相談所では、すべて『成婚=婚約』と定義しております」と説明しており、加盟する全ての相談所が「婚約」をゴールとしています。IBJ系の相談所でいう「成婚」は、プロポーズが成立して婚約に至った状態です。
ルール上「成婚とみなす」条件——本人の意思は関係ない
さらにIBJは、お見合いと交際のルールとして、結婚婚約またはそれと同等の成果にあたる次のような事実も「成婚」とみなす、と明記しています。
- 結婚の口約束
- 宿泊
- 宿泊をともなう旅行
- 婚前交渉
- 同棲
- 交際期間を延長し、通算6ヵ月を経過した場合(交際期間は原則3ヵ月・起算日はお見合いをした日)
公式は「成婚のご意思の有無にかかわらず、成婚とみなし、成婚退会手続きを行っていただきます」と明記しており、同じ条件は公式FAQで成婚料が発生する場合としても示されています。自分では成婚のつもりがなくても、該当すれば退会手続きの対象となり、成婚料の支払いが生じうるということです(いずれもIBJ公式サイト・2026年8月時点)。
一方で、成婚の定義そのものを公式ページ上に明記していない相談所もあります(編集部が確認した範囲での状況です)。業界の解説記事によれば、多くの相談所は「結婚を前提とした交際の開始」を成婚のラインにしている、と説明されています。同じ「成婚」という言葉でも、会社によって物差しが違うわけです。
「成婚=退会」であって「成婚=入籍(法律婚)」ではない
「成婚」は結婚相談所を退会する段階を指す言葉であり、婚姻届を提出する法律婚そのものとは別の概念です。つまり「成婚率No.1」という表示は、「入籍(結婚)できる確率No.1」を保証するものではなく、「各社の定義にもとづく成婚退会に至った割合がNo.1」という意味にとどまります。この前提を押さえておくと、以降の数字を冷静に読みやすくなります。
同じ「成婚率」でも計算式で数字が変わる——業界自身が説明していること
パートナーエージェントは、成婚率の算出方法を公式サイトの脚注で公開しています。「年間成婚退会者÷年間平均在籍会員数×100」という式です(株式会社DRC調べ・2026年5月、対象期間は2023年4月〜2024年3月の成婚退会実績)。
同じような指摘を、業界内からも見ることができます。IBJ加盟のオンライン仲人型結婚相談所であるウェルスマは、自社の公式コラムで「結婚相談所の成婚率=結婚できる確率ではない」と題した記事を公開しており、成婚率の算出方法には少なくとも3パターンあると説明しています。①成婚退会者÷総会員数で計算する方法、②ある期間の成婚退会者÷同期間の全退会者で計算する方法、③全体の退会者のうち成婚退会者が占める割合で計算する方法、の3つです。
同記事では「会員数200名・成婚退会20名・成婚以外の退会20名」という同じ実績のケースで試算すると、①の計算式なら成婚率10%、③の計算式なら成婚率50%と、5倍もの差が出ることを例示しています(ウェルスマ公式コラム)。当サイトが独自に指摘しているのではなく、業界内の企業自身がこの点を公式に説明している、という事実として押さえておきたいところです。
「IBJ」「IBJメンバーズ」「ツヴァイ」——同じIBJでも数字の範囲が違う
ここまでの整理をふまえると、もうひとつ注意したい点があります。IBJ(連盟全体)の「婚活会員数No.1」は、IBJ加盟の相談所群全体の集計とみられます。一方、IBJメンバーズの「成婚率No.1」は、IBJが直営する店舗の実績として案内されています。ツヴァイもIBJ加盟の相談所であり、「成婚数No.1」の成婚数は「IBJ連盟内での成婚者数」だと公式が明記しています。
つまり、同じ「IBJ」の名がついていても、集計の範囲がそれぞれ異なる可能性が高いということです。読者としては、「IBJ」「IBJメンバーズ」「ツヴァイ」の数字を同じ物差しのものと考えず、別々の調査・別々の集計範囲として切り分けて読むのが安全です。
結婚相談所経由の「成婚率」を裏付ける公的データは、編集部が確認した範囲では見当たらない
結婚相談所経由の成婚率や成婚数を、公的機関が統計として集計・公表しているかも確認しました。厚生労働省は「婚姻に関する統計」(人口動態統計)として婚姻件数や初婚年齢などの一般統計を公表していますが、これはあくまで婚姻届全体の集計です。結婚相談所を経由した成婚数・成婚率だけを切り出して集計した公的統計は、編集部が確認した範囲では見当たりませんでした。
つまり各社が掲げる「成婚率No.1」の数字は、いずれも各社が独自に、または調査会社に委託して算出したものであり、それを外部から検証できる公的な物差しも、同じく見当たりませんでした。
この点に関連して、消費者庁は2024年9月、「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しています。同報告書は、調査対象が無作為抽出でない場合や母集団の統計的客観性を欠く場合など、No.1表示が景品表示法上の優良誤認・有利誤認にあたるおそれのある条件を整理したものです。本記事で紹介した各社の調査は、いずれも第三者調査会社への委託による「各社公表実績の比較調査」であり、消費者庁が典型例として挙げる「実際の利用者アンケートに基づかないおすすめ1位表示」とは性質が異なる可能性があります。ただし調査ごとに母集団や比較方法の透明性には差があるため、婚活各社がこの報告書の指摘に抵触していると当サイトが判断するものではありません。あくまで「No.1という表示を見たときに、どんな調査にもとづくものかを確認する習慣を持つとよい」という注意喚起として紹介します。
数字を正しく読んだ上での、相談先の選び方
ここまで見てきたように、「成婚率No.1」という表示だけで相談所の優劣を判断するのは難しいのが実情です。数字そのものを否定する必要はありませんが、次の3点を確認すると比較しやすくなります。
数字を確認する3つのポイント
- 調査主体と調査年月が明記されているか
- 「成婚」の定義(退会の基準)が説明されているか
- 自分の年代・エリアに合うサービスか
この3点を満たしたうえで各社を見てみると、たとえばIBJメンバーズの「成婚率No.1」は、日本マーケティングリサーチ機構による2024年8月期の市場調査を根拠としており、①の条件は確認できる部類にあたります。
IBJメンバーズは、株式会社IBJが直営する結婚相談所です。IBJ連盟全体(加盟相談所群)とは別に、新宿西口・銀座・横浜などの店舗を持つ対面・店舗型のサービスとして、独身証明書などの確認体制のもとで運営されています。料金は、2026年8月時点の公式サイト(loungemembers.com)によると、登録料33,000円(税込)、活動サポート費219,450円(税込)、月会費17,050円(税込)、成婚料220,000円(税込)という単一の料金体系で、お見合い料の記載はありません。合計すると婚活サービスのなかでは高額な部類に入りますが、公式は「お見合いのセッティングだけでなく、婚約までを一貫してフルサポートする料金」という位置づけを説明しています。料金は2026年8月時点の情報です。最新の金額・プラン内容は公式サイトでご確認ください。
気になったら、まず資料請求で詳しい成婚率の算出方法や料金を確認してみるのもひとつです。直接相談したい場合は、無料カウンセリング(来店・オンライン)も用意されています。
なお、パートナーエージェントの料金やサポート内容、実際の利用者の声を詳しく知りたい方はパートナーエージェントの口コミ・評判まとめを、複数の相談所・マッチングサービスを横断で比べたい方は再婚・婚活マッチング比較の記事をあわせてご覧ください。
まとめ——「No.1」の数字より、自分が確認すべき3点
この記事の要点
- 各社の「成婚率No.1」は、調査主体も対象期間も会社によって異なる
- 「成婚」は退会の基準であり、入籍(法律婚)を保証する数字ではない
- 同じ実績でも計算式次第で成婚率は変わりうる(業界内でも説明されている)
- 結婚相談所経由の成婚率を裏付ける公的統計は、編集部が確認した範囲では見当たらなかった
- 数字の高さより「調査主体・年月」「成婚の定義」「自分に合うか」の3点を確認する
「成婚率No.1」という言葉自体は、多くの相談所が嘘をついているという意味ではありません。ただ、会社によって物差しが違う以上、数字だけで比べるのは難しく、根拠を確認したうえで自分に合うかどうかで選ぶのが結局いちばん近道です。気になる相談所があれば、まずは無料の範囲(資料請求・無料カウンセリング)で話を聞いてみるところから始めてみてください。
本記事で紹介した各社の表記・数値は2026年8月時点で確認できた公式情報にもとづきます。調査内容・料金は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。